○青木村の太陽光発電設備に係る技術的細目に関する規則

令和4年4月1日

規則第3号

(趣旨)

第1条 この規則は、青木村太陽光発電設備の適正な設置及び維持管理に関する条例(令和4年青木村条例第1号。以下「条例」という。)第11条第1項に規定する技術的細目に関するものを定めるものとする。

(用語の定義)

第2条 この規則において使用する用語は、条例及び青木村太陽光発電設備の適正な設置及び維持管理に関する条例施行規則(令和4年青木村規則第2号。以下「規則」という。)において使用する用語の例による。

(事業区域の境界の明示)

第3条 事業区域の境界は、隣接する土地との利用形態を区別し、事業者の管理責任を明確にするため、変化点をプラスチック製境界杭等で明示しなければならない。

2 事業区域の境界は原則として筆界によるものとし、条例第12条第2項の規定による届出を行う日までに、隣接土地所有者及び隣接土地関係人立ち会いの上、確定しなければならない。

(接続道路の基準)

第4条 事業区域は、幅員4.0m以上の公道に、2.0m程度接続させるよう努めるものとする。

(製品規格)

第5条 太陽光発電事業において設置する太陽光発電設備は、次の各号に掲げる要件を満たすものでなければならない。

(1) 日本産業規格(JIS)に適合するものであること。

(2) 経済産業省資源エネルギー庁の策定する事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)に沿ったものであること。

(空地の緑化)

第6条 事業区域内のうち、太陽光発電設備が設置されない空地については、芝等の地被類により緑化することを原則とする。

(1) 従前の土地が山林の場合は、むやみな木竹の伐採、除根、造成は行わず、植生の保全に努めるものとする。やむを得ず伐採、除根、造成を行う場合にあっては、芝等の地被類により緑化するものとし、法面についても植生シート等により緑化を図るものとする。

(2) 従前の土地が農地・原野等の場合は、前号に準じて、むやみな耕起は避け、空地等については芝等の地被類により緑化を図るものとする。

(安全施設基準)

第7条 事業区域内への第三者の立ち入りを防ぎ、事故発生を防止するため、当該区域内の外縁部に、地上高さ1.1m以上の防護柵を設置し、当該区域全周を囲うことを原則とする。

(準拠する技術基準)

第8条 太陽光発電事業に係る開発行為の技術基準は、条例によるもののほか、長野県建設部「開発許可審査指針」、長野県林務部「開発事業に関する技術的細部基準」に準ずるものとする。

2 条例第10条第1項及び第14条に規定する、各種計画図等及び設計図等には、設計者の氏名及び所属をタイトルブロックに明記するものとする。

(伐採木等の搬出処分)

第9条 太陽光発電設備の設置に伴い木竹の伐採を行うときは、存置に起因した災害防止のため、伐採木竹、除根した木竹の根等は事業区域外に搬出し処分することを原則とする。

(雨水排水路等)

第10条 太陽光発電設備の設置に伴い、事業区域外に設置する雨水排水路等については、コンクリート製、鋼製、強化プラスチック製、塩化ビニール製の製品等を使用することを原則とする。

2 木杭、土嚢、土側溝等、形状や素材の耐候性が低いとされる資材については、仮設材等に使用するものとし、雨水排水路等の資材として使用しないことを原則とする。

(雨水排水処理基準)

第11条 事業区域内の雨水排水処理の基準は次の各号に定めるものとする。

(1) 工事完了後の雨水排水量は、工事前の雨水排水量を超えないものとし、超過分については、浸透施設により事業区域内で処理することを原則とする。

(2) 前号によることが困難な場合又は雨水の浸透により周辺への悪影響を及ぼす恐れのある場合は、貯留型施設(オンサイト貯留施設、オフサイト貯留施設、貯留浸透施設)により雨水を処理することとし、許容放流量に相当する雨水量については、オリフィス孔により流出量を調整し、最寄りの用排水路、河川等の周辺公共用水域へオーバーフロー水として放流することを原則とする。ただし、拡水法(浸透桝、浸透トレンチ、浸透側溝等により不飽和土壌水帯を通して地中に浸透させる方法で、事業区域の地山部分に均等に浸透させる方法)による場合はこの限りではない。

(3) 事業者は、前号により事業区域から流出する雨水を公共用水域へ放流するときは、当該放流先の施設管理者と協議の上、許容流出量を定め施設容量を算定するとともに、当該放流先水路、河川等の設置管理者及び水利組合等の同意を得るものとする。

(4) 前号に規定する場合で、事業区域周辺に放流可能な公共用水域がなく、オーバーフロー管の設置が困難な場合は、事業区域から雨水や土砂が下流域に流出しないよう、盛土小堤(別図―1)を、事業区域の低地部に築くことを原則とし、雨水の流出方向に対して直角方向を基本に設置するものとする。

(5) 流出係数、降雨強度、推定流出土砂土等、充填材の材料別空隙率等については、別表1の①、②、③及び④による。

(6) 浸透施設、貯留浸透施設、貯留施設を設置する場合は、長野県建設部「流域開発に伴う防災調節池等技術基準」、長野県林務部「林地開発許可制度の手引き」、社団法人雨水貯留浸透技術協会編「雨水浸透施設技術指針(案)」等の最新版に基づき計画しなければならない。

(7) 前号の規定による雨水処理施設を設置する場合の目的別調査・計画検討項目は、別表1の⑤による。

(関係法令等との調整)

第12条 村長は、太陽光発電事業が森林法(昭和26年法律第249号)に基づく林地開発許可申請を伴うものであるときは、「林地開発許可申請の手引き」(平成29年4月長野県林務部)に基づき、許可権者である長野県と協議の上、必要な調査を行うものとする。

2 前項の規定に該当する太陽光発電事業にあって、事業者が条例第10条第1項の規定により当該事業計画の案を提出する場合の提出日は、当該事業に係る林地開発許可申請に基づく事前協議が完了した日以降でなければならない。

(その他)

第13条 この規則に定めない事項については、その都度村長が定める。

この規則は、令和4年4月1日(以下「施行日」という。)から施行する。

別図―1 盛土小堤

画像

※設置場所、延長等については、下流域に影響を与えないことを原則として計画する。

※流出勾配は、P点から上流側10m間の平均勾配とする。

盛土小堤Hの値

Hの値

Wの値

Lの値

適用

0.4m

0.4m以上

1.0m以上

・事業区域が1.0ha未満で、かつ雨水の流出勾配が5%以上

・事業区域が0.3ha未満の山林で実施するもの

0.6m

0.6m以上

2.0m以上

・事業区域が1.0ha以上で、かつ雨水の流出勾配が10%以上

・事業区域が0.3ha以上1.0ha未満の山林で実施するもの

1.0m

1.0m以上

3.0m以上

・事業区域が1.0ha以上の山林で実施するもの

別表1

① 流出係数

種別

流出係数

摘要

太陽光パネル

0.90~0.95

パネルの傾斜が20度を超える場合は0.95

屋根

0.85~0.95

屋根素材、屋根勾配により決定

アスファルト舗装

0.80~0.90

舗装勾配が10%を超える場合は0.9

砂利道

0.30~0.50

道路勾配が10%を超える場合は0.5

コンクリート舗装

0.75~0.85

舗装勾配が10%を超える場合は0.85

0.70~0.80

遊休農地等の場合は畑に準じる

0.1~0.3


芝等の地被類

0.05~0.25

合成勾配が10%を超える場合は0.25

その他不浸透面

0.75~0.85

合成勾配が10%を超える場合は0.85

林地(浸透能力小)

0.6~0.7

※従前が山林の場合で、現地浸透試験結果で得られた浸透係数kにより、採用地を決定する。

林地(浸透能力中)

0.5~0.6

林地(浸透能力大)

0.3~0.5

草地(浸透能力小)

0.7~0.8

草地(浸透能力中)

0.6~0.7

草地(浸透能力大)

0.4~0.6

耕地(浸透能力中)

0.7~0.8

耕地(浸透能力大)

0.5~0.7

裸地(浸透能力小)

1.0

裸地(浸透能力中)

0.9~1.0

裸地(浸透能力大)

0.8~0.9

※浸透能力小:k≦1,000×10-5 浸透能力中:1,001×10-5≦k≦1,000×10-3

浸透能力大:1,001×10-3≦k (k):透水係数

② 降雨強度

確率年

降雨強度(mm/hr)t=10分

備考

10

r=1380.2/(t0.83+11.03)

工事前の現況地目が1.0ha未満の宅地、雑種地、農地、又は0.3ha未満の山林に設置する太陽光発電設備

30

r=2277.9/(t0.89+15.76)

工事前の現況地目が1.0ha以上の宅地、雑種地、農地、又は0.3ha以上1.0ha未満の山林に設置する太陽光発電設備

50

r=2725.3/(t0.91+17.61)

工事前の現況地目が1.0ha以上の山林に設置する太陽光発電設備

※再現年別の降雨強度式と降雨強度曲線(松本領域)の最新版に基づく。

③ 推定流出土砂土等

工事完了後の空地が、アスファルト舗装等の硬質処理をするとき以外については以下による。

種別

備考

0.3ha未満の事業区域で、前処理施設を設置する場合

単位設計浸透量Q=C×Qf

地下水位C1=0.9、目詰まりC2=0.9

1.0ha未満の事業区域

単位設計浸透量Q=C×Qf

地下水位C1=0.9、目詰まりC2=0.9、流出土砂α=0.9

1.0ha以上の事業区域

単位設計浸透量Q=C×Qf

地下水位C1=0.9、目詰まりC2=0.9、流出土砂α=0.8

防災調整池を設置する事業区域

工事完了後の地表状態別により年間流出量を定める

裸地:200~400m3/年 草地:15m3/年 林地1m3/年

道路:5m3/年

④ 充填剤の材料別空隙率等

材料

粒度

空隙率

単粒砕石3号(S―40)

40mm~30mm

40%

単粒砕石4号(S―30)

30mm~20mm

30%

粒度調整砕石(M―25、M―40)

25mm以下、40mm以下

10%

切込砕石(CR―25、CR―40)

25mm以下、40mm以下

10%

再生砕石(RC―40)

40mm以下

10%

プラスチック製貯留材

使用する製品のカタログ値を採用

⑤ 目的別調査・計画検討項目



浸透施設の調査・計画手法の形態分類



1.0ha以上の雨水処理の調査・計画・設計

0.3ha以上1.0ha未満の雨水処理施設の調査・計画・設計

0.3ha未満の雨水処理施設の調査・計画・設計

現地調査・協議

他の規制等の調査

土質・地下水位・水質調査

現地浸透試験

浸透能力の評価

貯留能力の評価

許容放流量の評価

放流水域調査

放流先水路等管理者協議

施設計画等

放流先水路等管理者の同意

単位設計浸透量の算定

比流量の算定

比浸透量の算定

設計浸透量の算定

許容流出量の算定

配置計画

マンニングの計算

オリフィス孔の計算

流路施設規模の決定

浸透施設規模の決定

貯留施設規模の決定

(ア) 現地浸透試験の実施箇所数については、0.3ha未満の事業地では1箇所以上、0.3ha~1.0ha未満の場合は2箇所以上、1.0ha以上の場合は3箇所以上実施するものとし、必要に応じて代表的地盤ごと、複数箇所行うものとする。なお、試験方法は、ボアホール法を標準とするが、地盤状況に応じ土研法又は実物試験を選択し、原則として定水位法で実施するものとする。

(イ) 現地浸透試験は、予想される施設の底面地盤付近で行うものとする。

青木村の太陽光発電設備に係る技術的細目に関する規則

令和4年4月1日 規則第3号

(令和4年4月1日施行)